会社設立の話題を聞き漏らさない為に

会社設立の話題を聞き漏らさない為に

実際には、一年か一年半ぐらい前に、アーティストに「展覧会をしましょうか」と声かけをして、約束をします。
それ以降は、進捗状況を聞-とか、時々スタジオに足を運んで見ることになります。
アーティストによっては、「次の展覧会はどうしましょう」と相談されることもあります。
例えば、展示点数やサイズについて。
相談されればギャラリストとして参考までに意見を伝えますが、こちらからあまり要求することはアートません。
つまり、展覧会のために作品がギャラリーに納品されるまで、アーティストがつくりたい作品を見守り、それを受け入れるのです。
そうして作品が納品された後は、作品選びと展示です。
展示する作品は、ギャラリス-と相談して決めることが多いでしょう。
そのアーティストをかたちづくる要素がある作品を、前面に押し出してい-選択をすることが大切です。
未来に向かって、そのアーティストが続けていくだろうと感じられる、コアになる要素を抽出するのです。
一人のアーティストの中にもいろいろな作風があり、どれを選誰も見たことのないものに価値を見出すギャラリストの仕事ぶりによって、その見え方が変わってくる場合もあるからです。
展示もアーティスト主導の場合もある空間の性格やアーティストの作品性を考えて、ギャラリストがアドバイスする場合もあります。
みんながみんな同じ展示方法ではアートません。
例えば、絵の掛け位置。
クールな表情の絵だったら高い位置のほうがよいとか、この人の作品は低いほうがアピールするとか、高さだけでもいろいろ方法があります。
そのアーティストに合った展示を感覚的に絞りだし、実験しながら、白い壁の中で「ここだ」という位置を見つけていきます。
売りたい値段より、売れる値段。
好きな人に売るのが基本作品の値段も決めなければなりません。
すでに展覧会の経験があり、あらかじめマーケットでの相場が決まってきているアーティストは別にして、値段は展示してからアーティストと相談しながら決めます。
ギャラリーでの値段は、作品とアーティストのキャリア、マーケットの状況を呪みながら判断します。
マーケットと照らし合わせれば、このくらいのキャリアのアーティストで、この大きさのペインティングならいくらぐらいか、だいたいわかります。
でも、初個展の場合は、いつも僕は「売れる値段」を設定するようにしています。
初個展では、はかのアーティストと比べて「ちょっと安いかな」くらいの値段でも、確実に売ることが大事だからです。
まずはマーケットに作品を残していくことに意味があるわけです。
最初に好きになってくれた人たちがマーケットに少しでも増えること、さらに、作品を買った人が、そのアーティストを今後も応援してくれるように促している逆指名ではありませんが、特定の人に「この作品を買って-ださい」とオフアートするギャラリーもあるようですが、僕はしません。
作品を見て、好き、欲しいと思ってくれるコレクターがもっとも純粋で、一番いいかたちで売れることだと思いますから。
こうした積み重ねで需要が増えてきた時点で、重要なコレクターや美術館にも紹介していきます。
このとき、ギャラリストとしては効果的に売ることも考えます。
重要なコレクターとは、その人が買うとマーケットが広がるような、リーディング・コレクターのことです。
彼らのコレクションに入ることが、一つの評価につながるわけです。
リーディング・コレクターは、ニューヨークにもたくさんいます。
誰も見たことのないものに価値を見出すギャラリストの仕事あとは、美術館に資金を寄付する評議員や、作品を寄贈するような人たちです。
美術館の運営に何らかの意見が通り、その人たちがプライベートコレクションとして購入すると、珍しいものは美術館に寄贈される可能性が高いわけです。
作品が、美術館というパブリックな場所で展示された-収蔵された-することは、マーケットを大きく左右します。
アーティストにとっても、作品にとってもプラスです。
もちろんギャラリストにとってもそうです。
アートカイブが生む価値プレスの新しい可能性見せる機会を増やす意味で、大切なのはプレス活動です。
プレス活動では、自分たちがなぜそのアーティストを選び、展覧会を企画したかというアナウンスを、各方面にしていきます。
今までは、広報担当がプレスリリースをつくってメディアに配布したり顧客に個展の案内状を出したりしていましたが、今、もう少し身近なプレス活動を考えています。
自分たちでもアーティストにインタビューをして、それをウエブなどに積極的に載せていくことです。
あるとき、面白い現場に出くわしました。
僕のギャラリーで作品を扱っている加藤美佳さんが、ロンドンのギャラリー、ホワイトキューブで個展をしたときのことです。
展示を終えて公開を前に、プレスの責任者がギャラリーで働いているスタッフ全員を集めました。
そしてアーティスト自身が、その作品がどういうものか、何を目指して措いているのかを説明するのです。
そうすると、少な-ともホワイトキューブのスタッフは、あのアーティストはこういう人で、こういうことを話す人なのですよとか、すごくシャイなのですよとか、アーティスト個人や作品に対してリアリティが持てますよね。
ギャラリーのすべてのスタッフの言葉を介して、個々のコレクター、作品を見に来たお客さん、メディアなどに対して、より広くアーティストの表現を伝えることができるようになります。
そうすれば、またよりよいマーケットが広がっていくはずです。
また、理想としては、ギャラリーがアーティストの活動歴や評価などの資料を集めて、きちんとしたアートカイブをつくれるといいと思っています。
現在は、あくまでプレス活動の延長として、作品データやイメージの管理、略歴の更新に留まっています。
アートカイブをつくるということは、アートを歴史化する作業です。
美術館では、刻々誰も見たことのないものに価値を見出すギャラリストの仕事と変わる個々のアーティストの状況をフォローしきれません。
だから、ギャラリーのレベルでアートカイブをつくることが必要だと感じています。
これもホワイトキューブの話ですが、一人マニアックなスタッフがいて、その作業を黙々としていました。
ダミアン・バーストの最初の展覧会の看板から、食事しながら措いた落書きまで、白手袋をはめて透明なビニールに入れて保管しているのです。
とにか-、そのギャラリーやアーティストに関わるすべてのものを小さな部屋に収納していました。
それを見て「頭がいいな」と感心しました。
それこそ、自分たちの歴史をつくるという有史主義を自覚的に実践していますから。
これからはプレスと同様に、ギャラリーでもアートを歴史化するアートカイブ構築が必要となってくるでしょう。
作品がマーケットに定着することで歴史がつくられますが、アートカイブされた歴史が、逆にマーケットをつくることもあるのです。
作品の商品価値を高めることはギャラリストの使命アート作品が正しく伝えられることは重要ですし、価値付けられ、歴史化され、美術界や社会で意味を持っていくことは望ましいと思っています。
そのためにギャラリストは何をするべきでしょうか。
それは、アートの「作品」としての側面を強化することです。
一つの経済活動として考えてみれば、アーティストが作品を企画生産し、ギャラリストが営業、販売促進、販売を担当する。

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